股関節、腰、膝の痛みを治すための正しい歩き方理論のポイント4つ

股関節、腰、膝の長引く痛みの、大きな原因のひとつに、「筋肉のこわばり」があります。

筋肉のこわばりとは、筋肉に力が入り続けて、硬くなっている状態です。

それによって、血流が悪くなり、痛みが出たり、長引いたりするのです。

詳しくは、記事「股関節、腰、膝の痛みの原因、自ら解消できる基本の2つ」などをご覧下さい。

この筋肉のこわばりの、大きな原因のひとつが、悪い姿勢や歩き方です。

姿勢や歩き方が悪いと、一部の筋肉に過剰に負担がかかってしまい、筋肉に力が入り続け、こわばっていきます。

では、筋肉がこわばらない、正しい姿勢や歩き方となるには、どうしたらよいでしょうか??

それには、次のステップを踏む必要があります。

1.正しい姿勢や歩き方の理論を理解する

2.正しい姿勢や歩き方のコツ(テクニック)を実践する

まずは、必ず理論を理解する必要がありあす。

理論を理解していなければ、コツ(テクニック)の目的がぼやけてしまい、正しいものが身につかないばかりでなく、間違った姿勢や歩き方を強めてしまう可能性があるからです。

ちなみに、私たちが子どものころは、全員正しい姿勢や歩き方でした。

ですので、新たに正しい姿勢や歩き方を身につけるというよりも、「思い出す」と言った方が、良いかもしれません。

今回の記事では、「正しい歩き方の理論」についてお話ししていきます。

正しい姿勢(立ち方)については、記事「股関節、腰、膝の痛みを治すための正しい姿勢や立ち方、究極理論!」をご覧下さい。

1.歩き方は、立ち方がベースになっている

正しい歩き方のベースは、正しい立ち方です。

正しい立ち方ができていなければ、正しい歩き方も完成しません。

なぜなら、歩くということは、「立っている状態を移動させる」、ということだからです。

ということは、正しく立っていなければ、正しく歩こうとしても、様々な無駄が出たり、負担が必要となったりして、正しい歩き方にはたどり着けません。

これは、人間の成長の過程を見ても明らかです。

赤ちゃんは、まず立つことを覚えてから、歩くことを覚えます。

ですので、正しい歩き方を身につけるのであれば、まずは正しい立ち方の理論を理解して、身につけて下さい。

是非、記事「股関節、腰、膝の痛みを治すための正しい姿勢や立ち方、究極理論!」をお読み頂き、正しい立ち方の理論を理解して下さい。

2.正しく歩くための4つのポイント

正しい歩き方は、正しい立ち方と同様に、体の負担が少ない歩き方です。

つまり、無駄な力が抜けている、必要最小限の筋力を使った歩き方です。

それを実現させるには、次の4つのポイントを、必要最小限の筋力で実践していきます。

1.直立姿勢の安定

2.推進力の生成

3.衝撃の吸収

4.エネルギーの温存

では、それぞれについて、お話ししていきます。

2-1.直立姿勢の安定

歩いているとき、身体がしっかり“立っている”状態でないと、正しく歩けません。

私たちの身体を支えているのは、「骨」です。

建物でいったら、「柱」に相当します。

私たちの身体は、たくさんの骨が積み重なって支えられているのです。

“立っている”とは、積み重ねている骨が、崩れ落ちないようにしている状態です。

積み重ねている骨同士の接触面は、平らではありません。

丸まっていたり、傾いていたりしています。

“立っている”とは、記事「股関節、腰、膝の痛みを治すための正しい姿勢や立ち方、究極理論!」でもお話ししているように、極端に言えば、タマゴを積み重ねているようなものです。

タマゴをただ単に積み重ねていって、立たせることは可能でしょうか??

ほぼ不可能です。

それらを立たせるには、外から支えてあげる力が必要となります。

その役目を果たしているのが、「筋肉」や「靱帯」です。

特に重要な役目を果たしているのが、筋肉です。

私たちの全身には、約600個もの筋肉があります。

その筋肉たちが、絶妙な力加減によって、積み重ねている骨が崩れ落ちないように、コントロールしているのです。

例えば、10個のタマゴを積み重ねているところをイメージしてみて下さい。

これは、一人では無理ですよね??

何人かで協力しながら、お互い声をかけあって、微妙な力加減で支えることで、ようやく積み重ねて立たせることが可能となります。

筋肉は、“立っている”とき、このようなことを行っているのです。

これは、とても高度なコントロール能力です。

さらに、私たちが歩いているときは、姿勢が常に変化していきます。

リアルタイムで目まぐるしく変化していきます。

このような状況でも、“立っている”状態を維持しなければなりません。

私たちの筋肉は、これを成し遂げようとしているのです。

凄いと思いませんか??
(^_^;)

この筋肉の絶妙な力加減をコントロールしているのは、神経であったり、脳であったり、歩こうとする意欲や意識であったりします。

さらに、筋肉が適切に働くために必要な酸素や栄養素を提供する血液、血液を筋肉に届ける心臓、酸素を体内に取り込む肺、栄養素を消化吸収する胃や腸など、体の全てが関係しています。

まとめますと、正しい歩き方をするには、しっかり正しく“立っている”状態を維持することが必要で、そのために私たちは、全身のあらゆる能力を駆使して、様々な筋肉の力加減を絶妙にコントロールしている、ということです。

正しく歩くとは、実は、とても凄いことなのです!!
(^^)/

2-2.推進力の生成

「歩く」とは、身体を前に進める動作です。

このときに必要な前に進める「力」、すなわち「推進力」は、どのようにして生み出されているのでしょうか??

これについては、多くの方が誤解しています。

「筋力」によって身体を前に進めていると、誤解していることが多いです。

筋肉の力でふんばって前に進んでいると、誤解しているのです。

実際は、そうではありません。

歩くときの推進力は、主に次の2つによって生み出されているのです。

1.「重力」によって身体が前へ倒れる力

2.振り出された脚が前へ進もうとする「慣性力」による力

慣性力とは、物体がその運動状態を維持しようとする力のことで、止まっている物はずっと止まっていようとし、動いている物はずっと同じ状態で動いていようとします。

例えば、電車が急発進したら、乗客は後ろの方へ倒れるように動いてしまいます。逆に、電車が急ブレーキをかけたら、乗っている乗客は前の方へ飛び出すように動いてしまいます。これが慣性力です。

筋力は、これらの「重力」や「慣性力」をコントロールするために使われているのです。

私たちは、これらの力を効率良く生み出すために、「ロッカー機構」と呼ばれるものや、アキレス腱の弾性力(引き伸ばされたアキレス腱が元に戻ろうとする力)などを利用しています。

決して筋力でふんばって歩いている訳ではないのです!!

これは、正しい歩き方をマスターするための必須の知識です!!

そして、この「重力」と「慣性力」の2つの力によって生み出された推進力が、損なわれないようにして歩くことが、正しい歩き方なのです。
(^^)/

2-3.衝撃の吸収

私たちが歩いているとき、私たちの身体は、約1cmの高さから繰り返し床に落下していることを、ご存知でしょうか??

私たちが歩いているときは、前に振り出している足から床に落下しているのです。

この落下のとき、後の足は床に着いているので、前の足にかかる重さは、少なく見積もって、体重の半分はあると思います。

例えば、体重60kgの人だと、半分の30kgの重さが、約1cmの高さから床に落下しているのです。

冬に良く見る灯油のポリタンクは18リットルの容量があります。

これに灯油を満タンに入れると、だいたい15kgの重さになります。

灯油が満タンに入ったポリタンク2つ分で、約30kgの重さになります。

このポリタンク2つ分が1cmの高さから落下するところを、想像してみて下さい。

かなり大きな衝撃が生じると思います。

私たちが歩いているとき、前足が床に着くたびに、この衝撃が体に加わることになるのです。

もしお手元に定規がありましたら、その定規で机の上1cmの高さを測り、そこからその定規を落としてみて下さい。

定規はそれほど重いものではないですが、それでもかなりの衝撃が定規や机に加わることが、分かると思います。

このような衝撃をまともに受け続けながら歩けば、遅かれ早かれ体が壊れてしまいます。

そうならないように、歩くときの身体には、様々な仕掛けが備わっているのです。

具体的には、様々な関節の動きを、筋肉の力によって時間をかけて止めることで、この衝撃を吸収しているのです。

ここで、高くジャンプして着地するときをイメージして下さい。

着地するとき、ゆっくりしゃがみながら着地しませんでしょうか??

これは主に、膝が曲がるのを太腿の前の筋肉(大腿四頭筋)の力で時間をかけて止めることによって、体に加わる衝撃を吸収しているのです。

これと同じことが、歩くときにも行われているのです。

主に、足関節(足首)、膝、股関節で、行われています。

これらの関節の動きに関わる筋肉が、衝撃を吸収してくれているのです。

まとめますと、歩くときは、前足が床に着くたびに、大きな衝撃が体に加わりますが、この衝撃を和らげるために、主に足首、膝、股関節の動きを、それらの周囲の筋肉の力によって、時間をかけて止めている、ということです。

私たちが歩くときは、この衝撃の吸収を、無意識のうちに行っているのです。

この仕掛けが崩れると、私たちの体は、歩くたびに傷んでいってしまうのです。

2-4.エネルギーの温存

エネルギーの消費が多い歩き方と、少ない歩き方では、どちらが正しい歩き方でしょうか??

当然、エネルギー消費の少ない歩き方です。

歩くときのエネルギー消費が多いと、それに応じて疲れやすくなります。

疲れやすいということは、体が不調になりやすい、ということです。

歩くときにエネルギーを消費しているのは、主に筋肉です。

エネルギー消費が多いということは、たくさんの筋肉が強い力で働いているということです。

強い力は体を傷めていきます。

したがって、エネルギー消費の多い歩き方は、体の調子を悪くさせ、体を傷めていく歩き方なのです。

ですので、正しい歩き方というのは、エネルギー消費の少ない歩き方なのです。

では、エネルギー消費が少ない歩き方とは、どのようなものでしょうか??

物理学的には、「エネルギー」は、次のように定義されています。

「物体が、他の物体に仕事をする能力」

そして、次の式で表されます。

「仕事=力×距離」

つまり、「エネルギー」とは、「物体をある「力」で、ある「距離」だけ、動かす能力」ということになります。

ですので、エネルギー消費を少なくするためには、「力」を小さくして、「距離」を短くすれば良いのです。

したがって、エネルギー消費の少ない、正しい歩き方とは、次のことが適切に行えている歩き方なのです。

1.必要な筋肉のみを最小限の力で活動させる

2.身体の重心の移動を最小限にする

これらを適切に行えていないと、無駄なエネルギーが必要となるため、疲れやすくなったり、体の調子が悪くなったり、体を傷めたりしていきます。

そして、痛みが出たり、痛みが長引いたりしていくのです。

まとめ

以上、正しい歩き方の4つのポイントを、お話ししました。

この4つのポイントを、おさらいします。

1.直立姿勢の安定

2.推進力の生成

2-1.「重力」によって身体が前へ倒れる力

2-2.振り出された脚が前へ進もうとする「慣性力」による力

3.衝撃の吸収

4.エネルギーの温存

4-1.必要な筋肉のみを最小限の力で活動させる

4-2.身体の重心の移動を最小限にする

正しく歩いて、股関節、腰、膝の長引く痛みを自ら治すには、この理論を知ることが必要不可欠です。

これを知ったうえで正しい歩き方を実践しないと、いずれ我流となっていき、痛みが出やすい歩き方に戻ってしまいます。

理論を知っていれば、いくらでも応用が効きます。

もしかしたら、私が指導している内容よりも、さらに効果的な歩き方の実践法を編み出すことができるかもしれません。

ということで、股関節、腰、膝の長引く痛みを治すために、正しい歩き方の理論は、是非とも知っておいて下さいね!
(^^)/


股関節、腰、膝の痛みセラピー
セラピーサロン『Feuno(フーノ)』名古屋
ふなこしのりひろ