変形性膝関節症の痛みを自分で治すために知っておくべきこと!
早速ですが、変形した関節は、痛いのでしょうか??
図1:変形性膝関節症のX線画像(正面像:背臥位)
図2:変形性膝関節症のX線画像(正面像:荷重位)
図3:変形性膝関節症のX線画像(側面像)
図1~3は、以前勤務していた病院で、私がリハビリを担当させて頂いていた患者様の膝のレントゲン写真です。
この方は、70代の女性で、両膝とも変形性膝関節症と診断されている方です。
10年前から両膝の痛みがあり、7年前から両膝にヒアルロン酸の注射を不定期に受けていました。
しかし、痛みの改善がみられないため、両膝とも人工膝関節全置換術を受けることとなり、入院されています。
まずは左膝を手術し、その1ヶ月後に右膝を手術することになりました。
左膝の手術の後、リハビリで歩行訓練を行いました。
左膝の変形は解消されましたが、右膝は変形したままの状態です。
左膝は手術の影響で痛みがあります。
そこで、この方にたずねました。
「歩いていて、右膝は痛くありませんか?」
すると、
「全く痛くありません。もっと長い距離(数100m)を歩くと痛くなるかもしれませんが。」
とおっしゃられました。
入院前は長い距離を歩くと痛みが出たそうです。
図2(再掲):変形性膝関節症のX線画像(正面像:荷重位)
ここで図2をご覧下さい。
この方の歩いているときの右膝(向かって左側)は、このような状態になります。
膝の内側は、大腿骨と脛骨が完全に接触しています。
明らかに痛そうです。
しかし、この方は、「痛くない」と言っているのです。
これは一体どういうことでしょうか??
関節の変形が痛みの原因であるなら、歩く距離に関わらず、右膝に体重をかけた段階で痛みが出るはずです。
しかし、そうではない。
つまり、関節の変形は、痛みの原因ではないのです!!
この方の痛みの原因は、おそらく筋肉だと思われます。
長い距離を歩くと、筋肉の障害が徐々に増強されていき、痛みが発生するのだと思われます。
筋肉の障害は、筋肉に過剰に力が入っていることで生じます。
この状態が継続していると、関節は変形していきます。
筋肉に過剰に力が入ってしまう原因は、悪い姿勢、悪い歩き方、悪い筋肉の使い方です。
したがって、この姿勢や歩き方、筋肉の使い方を正しくしない限り、痛みは発生し続けるでしょう。
手術をして人工膝関節を入れても、これらを正しくしない限り、痛みは再び発生するでしょう。
ただ、このような手術が無駄だということではありません。
関節が変形していると、悪い姿勢、悪い歩き方、悪い筋肉の使い方が改善しにくくなります。
そこで、手術をして関節の位置関係を正しくすることは、これらを改善しやすくしますので、とても意味のあることです。
つまり、変形した関節の手術をするということは、痛みを取り除くということではなく、悪い姿勢、悪い歩き方、悪い筋肉の使い方を改善させやすくする、という意味の方が大きいと思います。
念を押して、改めて、あえて申し上げます。
関節の変形は、痛みの原因ではありませんよ~!!(`ヘ´)/
関節の変形と痛みが、直接的には関係ないということは、カテゴリ「痛みのしくみ」の記事を読んで頂ければ分かると思います。(^^)/
股関節、腰、膝の長引く痛みを自分で治すために、この記事の画像をしっかり見て頂き、関節の変形そのものが痛みの原因とは限らないということを、是非ともご理解下さいね!!
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