【最初の一歩はどうやって踏み出す?バランスを崩しちゃえ!】歩き方のしくみ⑤

記事【地面を蹴って歩く?正しい歩き方で使う力は重力と慣性力だ!】歩き方のしくみ④に引き続き、歩くときどのようにして前に進む力を生み出しているか(推進力の生成)について、お話ししていきます。

最初の一歩の始まり

まず、立っている状態から歩くには、最初の一歩を踏み出さなければいけません。

これまでの研究で、歩き始めるときは、まず振り出す側の脚で、地面を押していることが明らかにされています。

これは、身体の重心(重さの中心)を、身体を支える側の脚へ、移動させるためと考えられています。

例えば、右足から歩こうとする場合は、右足で地面を押して、左足に体重を乗せようとする、ということです。

ちなみに、身体の重心は骨盤の中にあります(正確には、第2仙椎のやや前方)。

以降、振り出す側の脚のことを振り出す脚身体を支える側の脚のことを支える脚と呼ぶことにします。

ちなみに、専門的には、振り出す側の脚のことを「遊脚側下肢」、支える側の脚のことを「立脚側下肢」と呼んだりします。

したがって、私たちが歩くときに最初にすべきことは、重心を、支える脚に移動させること、となります。

わざと片脚立ちをする

次にすべきことは、振り出す脚の足を地面から離すことです。

これは、重心を、支える脚に移動させている間に、振り出す脚の足を持ち上げることで行われます。

この振り出す脚の足が持ち上がったタイミングで、私たちは片脚立ちをすることになります。

先ほどの例で言うと、左足に体重を乗せようとしながら右足を浮かせ、左脚で片脚立ちをする、ということです。

バランスを崩して前に倒れる

次にすべきことは、振り出す脚の足を前方に着地させることです。

私たちは片脚立ちになると、途端にバランスを崩しやすくなり、立ちにくくなります

つまり、身体が倒れやすい状態となります。

このとき、支える脚は、その脚の筋力を調整して、重心を身体の前方へ移動させ、身体を前方へ倒れさせようとします。

そして、前方へ倒れていく身体を支えるために、振り出す脚を前方へ振り出します。

そして、この振り出した脚の足を地面に着いて、倒れる身体を支えます。

先ほどの例で言うと、片脚立ちをしている左脚の筋力を調整して、身体を前に倒れるようにし、同時に右足を前に振り出して着地させ、身体を支える、ということです。

これで最初の一歩が完成となります。

最初の一歩とその後

おさらいすると、私たちは次の順序で最初の一歩を完成させるのです。

①振り出す脚で地面を押す
②支える脚に重心を移動させる
③支える脚で片脚立ちをする
④身体を前に倒れるようにする
⑤振り出す脚を前に出す
⑥振り出す脚を地面に着く

この一連の動作が出来て初めて、私たちは歩くことができるのです。

逆に言えば、この最初の一歩を確実に行えないと、歩くことはできないのです。

そして、私たちが歩くときに前に進む力として最初に使っているものは、筋力ではなく重力なのです。

「重力」による身体が前に倒れる力を利用して、前に進む力を生み出して、歩き始めているのです。

その後、2歩目へと進むのですが、最初の一歩のために生み出した身体が前に倒れる力が損なわれないよう、振り出す脚が地面に着いたとき、人間の脚に備わっている巧妙な仕掛けが発揮されます

その仕掛けは、「ロッカー機構」と呼ばれるものです。

正しい歩き方を知るためには、必ず理解していなければならない仕掛けです。

次回からは、この「ロッカー機構」についてお話ししていきます。(^^)/

 

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