コーヒー豆と淹れ方の関係、コーヒーは人間関係に通じる?
3年前ぐらいから、自分でコーヒー豆を挽いて、コーヒーを淹れて毎日飲んでいる。そして、今年の7月からは、片手鍋を使ってコーヒー豆の焙煎も始めた。
で、思うんだけど、人が淹れるコーヒーの味って、全く同じになることは、絶対にない。これは、自分で淹れるときはもちろん、毎日何回もコーヒーを淹れているコーヒー屋さんのプロでもそう。
僕にはお気に入りのカフェがいくつかあるんだけど、同じ店で同じコーヒーを頼んで同じ人が淹れてくれても、日によって味がまあまあ違ったりする。
そんな経験が何回もあるから、前回飲んだコーヒーが美味しかったからといって、それと全く同じ味を期待してコーヒー屋さんに行くことはなくなった。それよりも、「今日はどんな味を味わえるんだろう~?」って思いながらコーヒー屋さんに入る。
コーヒーの味って、ホントにたくさんの要因や条件で変わってくる。飲む人のそのときの体調や気分によっても変わる。淹れる人の調子によっても変わる。だから、コーヒーを飲むって、ホントに「一期一会」だな~って思う。
とは言いつつも、「今日はこんなコーヒーが飲みたいな~」なんて思うことが多い。で、その味を狙って、コーヒー豆を選んだり、挽き具合や淹れ方を調節したりする。
これまで3年間、毎日コーヒーを淹れてきてるけど、何をしたら味がどう変わるかなど、自分のためにもちょっとここで整理してみようと思う。一般的な理論はあまり気にせず、完全に自分の感覚で書いていきます。(^^)/
目次
豆の挽き具合
- 粗い:雑味が少なくてクリーンな味わい、しっかり抽出するには長めの時間が必要
- 細かい:雑味が多くなってズッシリした味わい、短時間でもしっかり抽出できる
粗いと、お湯がコーヒー粉のかけらの中まで浸透するのに時間がかかり、コーヒー粉がお湯に触れる総面積が狭くなる。反対に、細かいと、すぐにお湯が中まで浸透し、総面積が広くなる。
お湯の温度
- 高い:苦味が強く、雑味が出やすくワイルドな味わい
- 低い:酸味が強く、クリーンでマイルドな味わい
抽出時間(蒸らし時間も含めて)
- 短い:酸味が強く、クリーンで薄めな味わい
- 長い:苦味が強く、ズッシリと濃いめな味わい
コーヒー抽出の特徴として、コーヒーの粉がお湯に触れると、先に酸味が抽出され、後になって苦味が抽出されるみたい。なので、抽出時間が短いと、苦味の抽出量が少ないので相対的に酸味の抽出量が多くなるので、酸味が強くなる。反対に、抽出時間が長いと、苦味の抽出量が多くなり、そのまま苦味が強くなる。
ドリップでの抽出時間の調節
ドリップの場合、抽出時間の調節は、蒸らし時間の長さや、ドリッパーに入っているお湯の水位で行う。
水位を高くすれば、時間当たりの抽出量が多くなるので、所定の抽出量に達するまでの時間は短くなる。反対に、水位を低くすれば、時間当たりの抽出量が少なくなるので、所定の抽出量に達するまでの時間は長くなる。
焙煎度
- 浅煎り:酸味が強く、苦味が弱い
- 深煎り:苦味が強く、酸味が弱い
焙煎後の時間
- 短い:抽出されにくい(深煎りほど抽出されにくい)
- 長い:味も香りも劣化していく(浅煎りほど劣化しやすい)
焙煎後のコーヒー豆の中にはガスが溜まっていて、そのガスは時間とともに徐々に自然に抜けていく。でも、粉にしてお湯をかけるとそのガスが一気に出てくるようになって、そのガスに邪魔されてお湯がコーヒーの粉に触れにくくなってしまう。なので、焙煎から時間が経ってない豆は抽出されにくいのだ。
また、焙煎時間が長い方が溜まるガスの量は多いように思う。なので、深煎りの方が多くのガスが溜まっていることが多い。ということで、個人的な感覚だと、焙煎度合い別の飲みごろとしては、浅煎りなら焙煎後3日目以降、深煎りなら焙煎後1週間以降かな~、って気がしてる。
コーヒーの粉にお湯を注ぐと、その粉が膨らんでくるけど、これはコーヒーの粉の中からガスが出てくるために起こる現象。なので、大きく膨らむときは、コーヒー豆の中にガスがまだたくさん溜まっていたということ。これは、焙煎からまだあまり時間が経っていない豆と推測でき、新鮮なコーヒー豆って言われたりする。
反対に、あまり膨らまないときは、ガスがだいぶ抜けていたということ。これは、焙煎からだいぶ時間が経っている豆と推測でき、鮮度が落ちた古くなったコーヒー豆って言われたりする。
でも、この膨らみ加減は、豆の挽き具合や焙煎度によっても変わるように思う。細挽きだと、あまり膨らまないことがある。これは、物理的にコーヒー豆を細かく粉々にしているので、その時点でガスがある程度抜けていってるからじゃないかなって思う。深煎りだと、もの凄く膨らむことがある。これはもちろん、コーヒー豆の中に溜まっているガスの量が多いため。
コーヒー豆の熟成
コーヒー豆は、熱を加えて中の成分を化学反応させることによって、いわゆるコーヒーの味が抽出されるようになる。で、この化学反応は、熱を加えている焙煎中だけではなくて、焙煎後も起こり続けているのだ。これを、コーヒー豆の熟成、エイジング、と言ったりする。
つまり、コーヒー豆は、刻々と味が変化していっているのだ。同じ豆でも、昨日と今日とでは、わずかながらも味が異なっているのだ。このことからも、コーヒーは「一期一会」だということが分かる。ちなみに、この熟成は、酸化によるもの。
味の調節方法
コーヒーの味の調節は、トライアンドエラー方式。「昨日よりも酸味を強くしたいな~」とか、「苦味を抑えたいな~」って感じで、挽き方や淹れ方を調節する。これまで整理したことを踏まえて、具体的には次のようにする。ちなみに、「トライアンドエラー」は和製英語で、正しくは「トライアル・アンド・エラー(trial and error)」みたい。
酸味を強くしたいとき(苦味を抑えたいとき)
粗挽きにして、お湯の温度を低くして、蒸らしの時間を短くして、抽出時間を短くする。
苦味を強くしたいとき(酸味を抑えたいとき)
細挽きにして、お湯の温度を高くして、蒸らしの時間を長くして、抽出時間を長くする。
コーヒー豆の個性や品質と淹れ方
コーヒーの味や香りは、淹れ方次第でだいぶ変わったりする。
コーヒー豆には個性があって、様々な要素で味や香りの特徴が異なる。産地、農園、品種、精製方法など。また、コーヒー豆は農作物なので、天候の影響を受けやすく、その年ごとに味や香りが異なったりする。
この個性によって、浅煎りにして酸味を強調した方が美味しくなる場合もあれば、深煎りにして苦味を強調した方が美味しくなる場合もある。なので、それぞれのコーヒー豆によって、最適なコーヒーの淹れ方が異なってくる。また、品質もあって、グレードの低いものから高いものまで。
例えば、品質が高くて酸味を強調した方が美味しいコーヒー豆で淹れるとき、酸味が強調されるような淹れ方をすれば、その品質通りのベストな美味しいコーヒーを淹れることが出来る。しかし、いくら品質が良くても、このコーヒー豆で苦味が強調されるような淹れ方をすれば、いまいちな味になったりすることもある。
逆に、品質が悪くても、そのコーヒー豆にとってベストな淹れ方をすれば、そこそこ美味しいコーヒーを淹れることも出来てしまう。
つまり、品質の高いコーヒー豆でも、淹れ方次第で大したことない味になってしまうのだ。淹れ方が適切じゃないだけなのに、「あの店のコーヒー豆はダメだな」なんてことになってしまうのだ。これでは、そのお店も、そのコーヒー豆も、可哀想・・・。
実際に僕もこのような経験があって、まだコーヒーの知識があまりなかったころ、かなり品質の高い豆を買ってきてウキウキしながら何気なく淹れてみたんだけど、あんまし美味しくなかったことがあった。「何だこの豆~。結構いい値段したのに~」って裏切られた感でいっぱいだった。しかし次の日、淹れ方を変えてみたら、ビックリするぐらい美味しいコーヒーになって驚いたことがあった。
僕のように間違った結論になってしまわないように、コーヒー豆と淹れ方の関係は、是非とも知っておいて欲しいな~って思う。(^^)/
まとめ
ということで、人が淹れるコーヒーの味は、たくさんの要因や条件に左右され、全く同じ味を再現するのは不可能。ただ、深煎りは比較的同じ味を再現しやすいように思う。一方、浅煎りは特に再現するのが難しい感じがする。
なので、浅煎りも好きな自分的には、再現性にこだわるよりも、そのときどきの違った味を楽しむスタンスの方が、コーヒーを楽しめるかな。もちろん、再現性にとことんこだわって、出来たコーヒーに一喜一憂する、っていう楽しみ方もありだと思う。
先ほど、酸味を強調した方が美味しくなるコーヒー豆を、苦味が強調されるような淹れ方をすれば、いまいちな味になるって話をしたけど、別の視点で見ると、同じコーヒー豆でも淹れ方次第で違った味を楽しめるってこと。
「この豆に、こんな淹れ方したらダメだろ~」って淹れ方をしてみたら、意外と「お!これは面白い味になった!美味い♪」なんてことになったりする。こんな感じだから、どんどんコーヒーにハマっていってしまうね~(笑)
とにかく、挽き方や淹れ方の違いによってコーヒーの味がどう変わるかを知っていれば、希望の味に近づくよう調節することは可能だし、コーヒーの楽しみ方がどんどん広がっていく。
そして、コーヒーをコントロールしようとするだけではなく、「そうきたか!」ってな感じで完成したコーヒーに自分を合わせるようにすると、どんどんコーヒーと仲良くなれる気がする。なんか、コーヒーって、人間関係にも通じるところがある気がするな~。
相手のことを変えようとしても、相手は変わらない。自分が変われば、相手のことは気にならなくなる。完成した気に入らないコーヒーの味を変えようとしても変わらない。自分の感じ方や解釈を変えれば、気に入らない味のことは気にならなくなって、次のステップへの経験になる。
自分を変えることで、人ともコーヒーとも、心地良い関係になる。ちょっと強引かな?(笑)いずれにしても、コーヒーの楽しみ方と自分の生き方は、リンクしていると思うな。(^^)/
【追伸】コーヒー豆の焙煎販売を始めました。僕の焙煎は名付けて「スピリチュアルロースト」。詳しくはこちらのページにて(^^)/⇒「コーヒー豆の販売について」
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