【股関節のCT画像検査結果で不安が激増!】股関節痛経験者ブログ③
この記事は、記事【股関節痛の原因は交通事故による股関節変形にあったのか?】股関節痛経験者ブログ②の続きです。
今回の体験談では、股関節痛を治すための重要なエッセンスがちりばめられています。キーワードは、ロキソニン、痛み動作の増加、股関節痛での運動、画像検査結果の解釈、です。
目次
1.ロキソニンの効果
初診時に処方されたロキソニンを、早速飲み始めました。ロキソニンの効果は絶大で、薬が効いている間は股関節痛が半減しました。「この調子で治っちゃうかも♪」と喜びました。
しかし、半減したとはいえ、股関節痛は出るので、以前のように歩くことはできません。リハビリの仕事で病院内を歩き回るのは、辛いまま・・
2.股関節痛が出る動きが増える
そうこうしているうちに、股関節痛が出る身体の動きにも変化が出てきて、あぐら(胡坐)をかくとき、自転車に乗ろうとサドルをまたぐとき、階段を昇るときにも痛みが出るようになりました。
「俺の身体はどうなってしまうのだろう・・」と、ときどき不安や恐怖に襲われていました。(>_<)
3.股関節痛があるときの運動
12月9日にMRIを撮り、12月20日に2回目の診察を受けました。
医師:「MRIを見る限り、大腿骨頭の壊死はなさそうですね。痛みが軽くなっているみたいで、良かったですね。このまま様子をみてもいいと思いますが、痛みが消えないようであれば手術しかないと思いますよ。一度、造影MRIをしてみませんか?股関節に造影剤を注入するので、ただ画像を撮るのとは違って、身体への負担が大きいですが」
私:「手術ですか・・・。まだ、造影MRIをする気にはなれません・・・」
医師:「そうですか・・・。CT(コンピュータ断層撮影)を撮って骨の状態を確認するのもいいかもしれません。どうですか?」
私:「わかりました。CTは撮ってください。ところで、運動はどこまでやってもいいのでしょうか?ジョギングや自転車、水泳やサーフィンはどうなのでしょうか?」
医師:「痛みが出ない範囲で是非運動して下さい。ただ、股関節に強い衝撃が加わるような運動はしない方がいいと思います。ジョギングはあまりしない方がいいかもしれません。自転車や水泳は良いと思います。安静にしているよりも、よく動いてください。その方が、「生活の質」や精神衛生の面でも、良いと思います」
診察後にCTを撮り、次回の診察日までのロキソニンの処方箋をもらい、帰宅しました。そして、午後からリハビリの仕事。
この12月後半は、忘年会シーズンです。会場が座敷の場合、あぐらをかくと痛みが出るので、楽な姿勢をとるのに大変でした(汗)。
4.CTで股関節の状態が明らかになり不安へ
12月27日、3回目の診察を受けました。
医師:「CTを見ると、右の股関節の骨が荒れていますね。この荒れているところが、股関節を動かすと相手の骨とぶつかって、痛みが出ているのかもしれませんね。手術でこの荒れているところを綺麗にしてあげれば、痛みは出なくなるかもしれませんよ」
写真:私の3D-CT(正面像)
写真:私の3D-CT(背面像)
確かに右股関節の骨の輪郭が左に比べてガタガタしています。自分の股関節がこんな状態なっているなんて、思いもしませんでした。改めてショックを受けました。
私:「手術はちょっと考えさせてください」
医師:「分かりました。このまま様子をみましょう。特に痛みに変化がなければ、1ヶ月後にまた来てください」
また次回の診察日までのロキソニンの処方箋をもらって、午後からリハビリの仕事。
この日も忘年会があって、会場は座敷でした。座るスペースが狭く、あぐらをかかざるを得ませんでした。股関節痛を感じながら、たくさんのビールを飲みました。
帰宅途中、診察のときに見た私の股関節の3D-CT画像を思い出しながら、酔っぱらった頭で「手術もしょうがないかな~・・・」などと、夜空を見上げながら、ぼんやり考えていました。不安でしかたありませんでした。(>_<)
今回の経験談のポイント
1.ロキソニンなど痛み止めの薬の注意点
私の股関節痛は、痛み止めの薬であるロキソニンによって強さが半減しました。ロキソニンは、炎症の過程に関与する酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)の活性を阻害して、痛みを抑える薬です。
ロキソニンによって痛みが軽減したということは、私の股関節では何らかの炎症が起こっていた可能性がある、ということです。
記事【炎症による股関節痛のメカニズムと治し方】痛みのしくみ⑨でもお話ししているように、炎症は身体を治すためには必要不可欠な反応です。その身体に起こる自然な炎症反応を強引に抑えようとする薬は、治すこととは真逆のことをすることになるのです。ですので、本来ならば、痛み止めの薬は使ってはいけないのです。
ただ、股関節痛は長引けば長引くほど感じやすくなってしまいますし、股関節痛があるというだけで筋肉のこわばりが起こりやすくなってしまいます。それらを回避するために、一時的に痛み止めの薬を使うのは、有効だと思います。
しかし、知っておかないといけないことは、痛み止めの薬は、単に股関節痛をごまかすだけのもの、ということです。決して股関節痛を治している訳ではありません。ですので、痛み止めの薬を使っても、同時に股関節痛を治すことも、していかなければならないのです。
2.不安や恐怖で股関節痛が出る動きが増えていく
私の股関節痛が出るときは、初めは歩いているときだけでしたが、あぐらをかくとき、自転車のサドルをまたぐとき、階段を昇るときなど、徐々に増えていきました。
これは、歩いているときに出る股関節痛に怯え緊張し、股関節周囲の筋肉に力が入りやすくなって、筋肉がこわばりやすくなったために、他の様々な動作でも股関節痛が出るようになったと考えられます。要は、不安や恐怖で身体に無駄な力が入っている状態です。
これを防ぐためには、股関節痛は治るという安心感を持ち、無駄な力を抜く健康にとって正しい歩き方や身体の使い方を実践することが大切です。そのためには、股関節痛や歩き方について、常識とは異なる正しい知識を知ることが、必要不可欠です。
3.股関節痛があっても運動した方が良い
私の股関節痛を診察している医師は、次のように言いました。「痛みが出ない範囲で是非運動して下さい。安静にしているよりも、よく動いてください。その方が、生活の質や精神衛生の面でも、良いと思います」。これはその通りです。
股関節痛があっても、痛みが出ない範囲で無理なく運動することは、股関節痛を治すために非常に有効です。なぜなら、運動すると、血流が良くなるので自然治癒力が高まりますし、股関節痛から気をそらすことが出来ますし、気分転換になって心がスッキリするからです。股関節痛とは関係ないところ、例えば腕だけの運動でも有効です。
股関節痛が出るから、股関節痛があるからと言って、動かずじっとしていると、余計に股関節痛は治りにくくなり、悪化していくことになってしまうのです。
4.画像検査結果に騙されず希望を持つ
私は、自分の股関節の3D-CT画像を見て、改めてショックを受けました。股関節が変形しておかしくなっている証拠を、まざまざと見せつけられたからです。
画像検査の結果というのは、見る人の心を極めて強力に揺さぶります。私も手術の方へ心が揺らいでしまいました。(>_<)
しかし、お話ししているように、私はいまだに、この画像検査結果で明らかにされた股関節の変形があるにも関わらず、股関節痛は全くないのです。画像検査で変形が見つかっても、それと痛みは直接的には関係ないのです。
ちなみに、これは関節の変形だけに限らず、腰痛の原因とされる腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などについてもそうです。画像検査でヘルニアや脊柱管の狭窄が見つかっても、それと腰痛は直接的には関係ありません。
なぜなら、腰痛がない人でも、ヘルニアや脊柱管の狭窄がある人が、少なからずいるからです。詳しくは、記事【股関節の隙間が狭い、軟骨のすり減り、手術で股関節痛は治るのか?】痛みのしくみ⑤をご覧下さい。
このような画像検査のメリットは、骨折や病変の有無を確認できるところにありますが、画像検査結果の最大のデメリットは、本人を不安にさせることです。不安は股関節痛を増強させ、治りにくくさせます。
ということで、股関節の画像検査結果で変形が見つかっても、股関節痛の原因と直接的な関係がない場合があるので、それに騙されず希望を持って下さいね。(^^)/
次回予告
次回は、次の3つについてお話しします。
- 人工股関節の手術へ気持ちが傾き悩み疲れる
- 股関節痛を軽減させる治療法
- 小さな希望で心が軽くなる
股関節痛が長引いていくと精神的に参ってしまい、冷静な判断が出来なくなっていきます。そうなると、後先考えず、手っ取り早く股関節痛が取れそうな手術を決断してしまい、後悔する可能性が高くなってしまいます。
インターネットでは、様々な治療家がそれぞれの考えのもと、多種多様な痛み治療を行っていることを、知ることが出来ます。知っておくべきことは、あらゆる治療は、自分自身の自然治癒力を発揮させやすくする、補助的な役割しかない、ということです。
股関節痛は心の影響を大きく受け、心が重苦しく憂鬱な状態だと、股関節痛は出やすく強くなりやすくなります。心がそのような状態になる理由は、股関節痛が治るという希望を持てないからです。股関節痛を治すために最初にすべきことは、この希望を持つことだと思います。
続きは、記事【人工股関節の手術への悩みと希望】股関節痛経験者ブログ④へ
コメントを残す