【脳の中の股関節痛の作られ方と治し方】痛みのしくみ⑰

記事【股関節痛の原因は、股関節にはない、脳が決めている】痛みのしくみ②でお話ししたように、股関節が痛いか痛くないかは、全て脳が決めています。

今回の記事では、脳の中でどのようにして股関節痛が認識されるのか、痛みと脳の関係を少し具体的にお話しし、股関節痛は脳の中だけでも作り出せること、そのようにして作られた脳の中の股関節痛の治し方について、お話ししていきます。

今回の記事は専門的な内容が多いため、股関節痛を治すためだけであれば、「痛みに関わる大脳の領域」の冒頭と、「痛みが脳だけで作られる証拠」「脳で作られた痛みの治療」、最後の「まとめ」だけを読んで頂ければ良いと思います。

途中で、慢性腰痛と変形性膝関節症のお話しが出てきますが、この内容はもちろん股関節痛についても当てはまるお話しです。

痛みに関わる大脳の領域

記事【痛みの伝導路、一次痛と二次痛、外側系と内側系って、何だ?】痛みのしくみ⑩で詳しくお話ししたように、痛み刺激は、最終的に大脳に伝わります。そして私たちは、大脳痛み刺激を「痛み」として認識することになりますが、どのようにして認識しているのでしょうか?

大脳は、その領域ごとに、異なる役割を持っています。これまでの脳研究で、次の領域が、痛みに関連する主要な領域として考えられています。その領域とは、一次体性感覚野二次体性感覚野扁桃体島皮質(とうひしつ)、前帯状回頭頂連合野前頭前野です。

これらの領域は、次の表のように、主に関与する役割によって、痛みの「感覚」、「情動」、「認知」といった側面に分類されています。

痛みの側面大脳の領域
感覚一次体性感覚野、二次体性感覚野
情動扁桃体、島皮質、前帯状回
認知頭頂連合野、前頭前野

痛みの感覚的側面とは、痛みの部位、強度、持続性など、痛みの種類を識別する側面です。

痛みの情動的側面とは、痛みを不快なものとして識別し、怒り、恐怖、嫌悪、悲しみなどの、ネガティブな感情に細分化していく側面です。

痛みの認知的側面とは、過去に経験した痛みの記憶と比較したり、注意や予測などを関連させたりして、身体にとっての痛みの意義を分析する側面です。

痛みは、これらの3つの側面が統合されて、認識されることになります。痛みの感覚や意味、認知は、人によって異なるため、痛みは非常に主観的な体験だと言え、この3つの側面のどの側面をより色濃く反映した痛みであるかは、個人やそのときの環境によって異なります。

注意を集中しているか、予測しているかによっても、痛みの感じ方は変化しますし、個人の過去の記憶や、個人がおかれている社会的背景によっても、痛みの体験は違った形で形成されていきます。

次からは、これらの側面ごとに、大脳のそれぞれの領域の役割について、お話ししていきます。

痛みの感覚的側面

一次体性感覚野

一次体性感覚野は、ブロードマン・エリアにおける3野1野2野にあたり、3野1野2野の順序で階層性の情報処理が行われます。3野はさらに、3a野3b野に分かれます。ちなみに、大脳大脳縦列という大きな溝によって左右に分かれていて、痛み刺激は左右反対側の一次体性感覚野に伝わります(例えば、痛み刺激を左手で受けたら、右側の大脳一次体性感覚野に伝わる)。

図1:ブロードマン・エリア(外側表面)(Wikipediaより引用)

図2:ブロードマン・エリア(内側表面)(Wikipediaより引用)

ブロードマン・エリアとは、コルビニアン・ブロードマンという人物による大脳新皮質の解剖学・細胞構築学的区分の通称です。ブロードマンの原典では、大脳皮質組織の神経細胞を染色して可視化し、組織構造が均一である部分を一つのまとまりとして区分し、1~52までの番号をつけています(ブロードマンの脳地図(Wikipedia)参照)。

図3:体部位再現(Wikipediaより引用)

3a野には深部感覚情報が到達し、3b野には表在感覚情報が到達します。体表に加わった痛み刺激3b野の所定の箇所に到達するため、3b野痛み刺激が加わった場所を識別する領域と考えられています。このように、3b野では体表の部位が再現されており、これを体部位再現といいます(体性感覚(Wikipedia)参照)。

3b野では細かく体部位が再現されていますが、1野では体部位がオーバーラップされて再現されていることが分かっています。例えば、3b野では手の指が独立して再現されているのに対し、1野では複数の指、もしくは、手全体として再現されています。

1野は、注意機能の影響を大いに受けます。すなわち、痛みに注意を向けると、この領域の活動が大きくなり、注意を向けないと、活動が小さくなります。

2野は、能動的接触(自ら触ること)による対象物の識別に関与しており、外界の認識に関与する領域と考えられています。物体と接触する場面を想像しただけで痛みが出ることがありますが、これはこうした機能の影響が大きいと考えられています。

また、一次体性感覚野の特徴として、痛み刺激の強度に比例して活動が増加することが挙げられます。

以上のように、一次体性感覚野は、痛み刺激を受けた場所を識別し、注意機能の影響を大きく受ける領域と考えられており、痛み刺激の強度に比例して活動が増加する特徴があります。

二次体性感覚野

二次体性感覚野は、一次体性感覚野よりも深部にあり、一次体性感覚野が反応した後に反応します。この領域は、身体の片側に痛み刺激を加えても、両側とも活動する神経が多いという特徴があります。例えば、右手に痛み刺激を加えると、二次体性感覚野は両側とも活動します。

一次体性感覚野は、体部位再現に従って活動する部位が決まっていますが、二次体性感覚野は、それほど活動部位が明確ではありません。また、二次体性感覚野に病変がある人は、痛み刺激を「痛みの刺激」だと判別できません。これらのようなことから、二次体性感覚野は、刺激の性質を識別するところと考えられています。

また、痛みの知覚は、痛みを予期したときや、痛みに対して注意を集中しているときに変化しますが、二次体性感覚野はその変化に関連している領域であると指摘されています。このように、二次体性感覚野の活動は、予期や注意といった高次機能にも関与するとともに、注意、学習、記憶といった認知的プロセスに、大いに影響を受けることが明らかになっています。したがって、二次体性感覚野は、痛みの感受性の変化に関連する領域と考えられています。

以上のように、二次体性感覚野は、刺激の性質を識別し、痛みの感受性の変化に関連する領域と考えられています。

一次体性感覚野と二次体性感覚野のまとめ

一次体性感覚野二次体性感覚野は、痛み刺激に応答する急性痛一次痛)主に関与し、慢性痛で起こる自発痛にはあまり関与しないと考えられています。これらの領域は、現在のところ、体部位再現に従った痛みの部位、痛みの強度に関わる領域として、知られています。

痛みの情動的側面

扁桃体

扁桃体は、怒り、悲しみ、嫌悪、驚き、恐怖、幸福といった、情動換気のプロセスに関与する領域と考えられています。

扁桃体は、痛みと不快情動を結びつける働きをしていて、扁桃体が活性化し不快情動が高まると、痛みも増強するようになります。

その他、これまでの脳研究で報告された扁桃体に関する内容を、以下に箇条書きにして紹介します。

  1. 扁桃体は、快、不快の評価に大きく関わっている
  2. 扁桃体を取り除いたサルは恐怖を感じないようになり、人間も扁桃体に病変をきたすと情動反応に問題が起こる
  3. 扁桃体の中心核の約78%のニューロンが、下肢への痛み刺激によって興奮した
  4. 痛みセンサーからの刺激がない場合でも、扁桃体のシナプス興奮性が高まると慢性痛の症状が現れ、不快情動反応が慢性痛に関与することが示唆される
  5. 扁桃体の活動増加によって内側前頭前野の活動が減少することが動物実験で確認されていて、この神経プロセスが慢性痛の引き金になることが想定される
  6. 痛みを有害と思う人は扁桃体の活動が高く、扁桃体の活動は痛みの情動的側面に影響を与え、知覚の強度に影響する

島皮質

島皮質は、痛みに対する嫌悪感を発生させるとともに、不快といった否定的感情にも関与する領域です。

島皮質は、不快なものを味わったり、嗅いだり、聞いたり、見たり、触ったりといったように、感覚の様式に関係なく活性化します。

また、痛みに対して注意を強く向けると活性化する特徴があります。

その他、これまでの脳研究で報告された島皮質に関する内容を、以下に箇条書きにして紹介します。

  1. 島皮質前帯状回は、扁桃体よりも主要な痛みに関連する領域であり、急性痛だけでなく慢性痛にも関与し、痛みの情動的側面の中心的な領域である
  2. 島皮質は、情動喚起のプロセスにおいて、活動が増加する
  3. 島皮質は、情動的側面だけでなく感覚的側面も有している
  4. 島皮質は、痛みに対して注意を強く向けるとより活性化し、注意の度合いによって痛みが変調する領域として考えられる
  5. 島皮質の活動は、主観的な痛みの感受性や耐性に影響する
  6. 島皮質は、痛みの予期の際にも活動する
  7. 島皮質は、身体と物体との接触の予期の際にも活動し、メンタル・アロディニア(心理的な痛みの感作)への関与が示唆される

前帯状回

前帯状回は、痛みに伴う情動の喚起、痛みに対する反応の選択、痛み刺激の予知と回避についての学習に関与する領域です。

また、前帯状回は、内外の刺激に対して社会的な状況にも応じて自己の情動のバランスの査定を行い、個人の情動やそのときの環境によって痛みの感受性を変化させる領域と考えられています。

その他、これまでの脳研究で報告された前帯状回に関する内容を、以下に箇条書きにして紹介します。

  1. 前帯状回島皮質は、扁桃体よりも主要な痛みに関連する領域であり、急性痛だけでなく慢性痛にも関与し、痛みの情動的側面の中心的な領域である
  2. 前帯状回は、他者が痛みを感じている場面を観察したり、想像したりするだけでも活動する
  3. 前帯状回は、プラセボ薬の投与や催眠によって痛み刺激の不快さが和らいだ場合、その活動が減少したが、一次体性感覚野は活動の変化がなかった。このことにより、急性痛に関係する一次体性感覚野の活動による痛みの感覚的側面には、プラセボや催眠の効果はないが、慢性痛に関係する前帯状回の活動による痛みの情動的側面には、それらの効果が認められることが示唆されている
  4. 前帯状回は、一次体性感覚野やにみられたような痛み刺激の強度に比例して活動が強くなることはなく、主観的な影響が強い
  5. 帯状回切除術を受けた患者は、痛み刺激の局在、強度や質の理解は変わらないが、痛みがあっても不快でなく気にならない
  6. 痛みに対する感受性が高い人は、低い人に比べて、前帯状回前頭前野に強い活動が認められる
  7. 前帯状回は、エラーの検出、身体的痛み、不安、不快の予期に関与し、主観的な不快さを反映する領域である
  8. 痛みの変調において、前帯状回の活動変化は、注意よりも情動の影響が大きく、島皮質よりも、個人の主観的な情動変化に対して影響が大きい

痛みの認知的側面

頭頂連合野

頭頂連合野は、痛み刺激に対する生理的な痛みではなく、自覚的な痛みの認識に関与する領域です。

そして、一次体性感覚野も含め痛みの記憶に関わっていて、痛み経験が身体図式化される領域でもあります。

また、痛み刺激と対応した身体の位置関係の認知や、痛みに対する注意にも関与しています。

その他、これまでの脳研究で報告された頭頂連合野に関する内容を、以下に箇条書きにして紹介します。

  1. 頭頂連合野は、急性痛というよりは慢性痛に関与する領域で、慢性痛がある人は、この領域の活動変化がみられる
  2. 頭頂連合野は、視覚と体性感覚の統合の際に活動する領域で、このことは、痛みの感覚統合も頭頂連合野で行われることを意味している

前頭前野

前頭前野は、外側部内側部眼窩野に区分でき、それぞれ機能が異なっています。

外側部は認知プロセスである注意機能やワーキングメモリ機能に関与する領域で、この領域が活性化すると痛みに対して注意が向けられてしまいます。

内側部眼窩野は情動の制御に関する領域で、この領域の活性化が低下したり、この領域が萎縮してしまうと、情動の制御が困難になってしまいます。

また、内側部前帯状回扁桃体から情動的な入力を受けますが、それらの情報が過多になると内側部での制御や抑制が困難になってしまいます。

さらに、外側部内側部は拮抗した機能を有していて、外側部が著しく活性化すると内側部の活性化が抑制され、結果として情動の制御が困難になってしまいます。

その他、これまでの脳研究で報告された前頭前野に関する内容を、以下に箇条書きにして紹介します。

  1. 視覚情報と体性感覚情報の不一致によって痛みや不快感が引き起こされるが、前頭前野はその不一致の際に活性化する
  2. 前頭前野は、痛みの情動、認知、記憶といった統合的な面に関わり、急性痛よりも慢性痛で特に関与する
  3. 前頭前野に損傷があると、洞察力にかけ、将来の計画立案が困難になるが、慢性痛患者には前頭前野前帯状回の委縮がみられ、そうした機能の中心である意思決定能力や意欲の低下が引き起こされ、このようなことが慢性痛患者の抑うつ症状の理由だと考えられている
  4. 前頭前野は、痛みを調節する広汎性侵害抑制調節に関与し、プラセボ鎮痛効果に関与している
  5. 痛みを抑制しようと念じると、前頭前野島皮質前帯状回が活性化する
  6. 前頭前野は、下行性疼痛抑制系に関わり、下降性疼痛抑制系の減弱が慢性痛に関与する
  7. 前頭前野の活動低下が痛みの原因と考えられる一方で、痛み刺激に対して前頭前野の活動が増加することも報告されており、この矛盾は、場所によって前頭前野の機能が大きく違うためと考えられている
  8. 内側部が委縮し活動が減少すると、情動の制御が困難、低下することが想定され、痛みに対して注意が向けられていると、外側部の活動の増加が想定され、これらのことから、内側部の活動低下、外側部の活動増加が、痛みに大きく関わっていると考えられる
  9. 外側部急性痛に関わり、内側部慢性痛に関わると考えられている

痛みが脳だけで作られる証拠

記事【痛みの伝導路、一次痛と二次痛、外側系と内側系って、何だ?】痛みのしくみ⑩でお話ししたように、痛み刺激痛みセンサーにキャッチされて電気信号に変換され、その一部は外側系を通り大脳体性感覚野に伝わり、もう一部は内側系を通り大脳島皮質前帯状回扁桃体海馬前頭前野に伝わり、これらの大脳の領域の情報が統合されて、痛みを感じることになります。これが通常の痛み発生のメカニズムです。

ポイントは、痛みセンサーを出発点として、大脳外側系の領域にも、内側系の領域にも電気信号が伝わり、外側系・内側系どちらの領域も活動する、ということです。しかし、「痛みを感じているにも関わらず、内側系だけしか活動していない場合がある」、という事実があるのです!

慢性腰痛と変形性膝関節症

これまで、慢性腰痛患者の脳の活動を調べる研究が数多く行われています。そして、慢性腰痛患者と変形性膝関節症患者の脳の活動の違いを調べる研究も行われるようになりました。これらの研究結果から、慢性腰痛患者の自発痛と、変形性膝関節症患者の膝関節への刺激による痛みでは、関与する脳の活動領域が、次の図や表のように異なっていることが、明らかになっています。

図4:慢性腰痛と変形性膝関節症のfMRI像の違い(ペインリハビリテーションより引用)

疾患痛みに関与する脳の活動領域
慢性腰痛の自発痛主に前頭前野、帯状回、上部前頭葉、頭頂葉
変形性膝関節症の膝刺激での痛み視床、一次体性感覚野、二次体性感覚野、島皮質、帯状回、扁桃体など

ここで注目すべき点は、通常の痛み発生メカニズムで関与する、視床一次体性感覚野二次体性感覚野の活動です。変形性膝関節症での膝関節痛ではこれらの領域が活動しましたが、慢性腰痛の自発痛では活動していません。

つまり、慢性腰痛の自発痛は、外側系の領域は活動せず、内側系の領域だけが活動しているということです。そして、このことは、慢性腰痛の自発痛は、組織の損傷による痛みではない、ということを意味しています。

記憶から作られる痛み

注意の集中、分配、操作に関与する前頭前野と、感覚情報処理およびその統合に基づく知覚の形成に関与する頭頂連合野は、双方向にシナプス結合しています。

したがって、痛み発生のメカニズムとしては、痛み刺激からの電気信号によって体性感覚野がある頭頂葉が活動し、その情報がその後に前頭前野に伝達されて痛みを知る(認知する)、という通常の機序だけでなく、過去の痛み経験の記憶に基づいて前頭前野が先に活動し、その活動が頭頂葉を活動させることによって、痛みの知覚が引き起こされる、という機序もあり得ることになります。

つまり、過去の痛みの記憶によって痛みが作られる可能性が十分にある、ということです。なお、過去とは、遠い昔のことだけではなく、今の直後もそうです。「今」は次の瞬間には過去になります。ですので、今感じている痛みがすぐに記憶されている場合、その記憶によっても痛みが作られる可能性があります。分かりやすく言うと、今経験している痛みによっても痛みが作られる可能性がある、ということです。

痛みが脳だけで作られる証拠のまとめ

以上のことから、慢性腰痛の自発痛は、体部位再現に基づいておらず、身体局所に直接的な痛みの原因はなく、過去の経験や記憶の痕跡に基づき、脳の中で痛みを作り出している可能性があり、痛みセンサーからの大脳へのボトムアップ情報によって痛みが出るのではなく、主に前頭前野からのトップダウンによる情報処理の働きによって痛みが出て、組織損傷が認められないところに痛みを感じるようになっている、と考えられます。

そして、このことは、慢性腰痛の自発痛に限らず、程度の差こそあれ、全ての痛みについて起こっている可能性があります。全ての痛みは、組織損傷による痛みだけでなく、脳で作られた痛みも含まれている可能性があるのです。

脳で作られた痛みの治療

以上のように、痛みは脳の中だけで作ることも可能だということが分かります。ということは、例えば、ここで紹介した慢性腰痛の自発痛は、痛みが脳の中で作られている限り、腰そのものを治療しても、痛みは治らない、ということになります。したがって、痛みを治すためには、脳の中を治療する必要がある、ということです。では、どうすれば良いのでしょうか??

好きなこと楽しいことをする

脳の中で作られる痛みの素は、過去や今の痛み経験の記憶です。この記憶に注意を集中していると、つまり、この記憶を頻繁に強く思い出していると、その記憶が強化され、簡単に思い出すようになってしまいます。これが、脳の中で痛みが作られる、ということです。

ということは、脳の中で痛みが作られないようにするには、痛み経験の記憶に注意が向かないようになれば良いのです。そのためには、痛み経験の記憶以外のことに、注意を向けていれば良いのです。

そこで私のおススメは、好きなことや楽しいことなど、自分に没頭できることをひたすら行う、です。好きなことや楽しいことをしているときは、嫌なことを忘れていますよね?これと同じように、痛みも忘れてしまえるのです。痛みを忘れるとは、今や過去の痛み経験の記憶に注意が向かなくなっている、ということです。

生活習慣を細胞にとって良いものへ

今や過去の痛み経験を記憶しているのも、それに注意を向けるのも、脳が行っていることです。脳は神経細胞のなどの集まりであり、他の身体の部分と同じように、全て細胞で出来ています。したがって、脳の細胞の機能が低下していたりすると、脳は健全に働くことが出来ず、スムーズに情報交換が出来なかったり、誤作動を起こしてしまったりします。その結果、脳で痛みが作られやすくなってしまうことは、十分に考えられます。

これを防いだり改善したりするためには、脳の細胞の機能を高めるようにすれば良いのです。細胞の機能は全て、生活習慣の結果を表しています。ですので、細胞の機能を高め、脳で痛みが作られにくくするためには、食事、運動、睡眠、ストレスなど、生活習慣を細胞にとって良いものにしていけば良いのです。

まとめ

長々とお話ししてきましたが、今回の記事で私がお伝えしたいことは、次になります。

  1. 股関節痛は脳の中だけでも作られる
  2. 全ての股関節痛は、組織損傷による痛みだけでなく、脳で作られた痛みも含まれている可能性がある
  3. 脳で作られた股関節痛を治すためには、好きなことや楽しいことをしながら生活習慣を良くする

脳は領域によって様々な機能があって、痛みは脳の中だけでも作られると聞くと、「痛みって、いろんなことが関わっていて、複雑だな~」って思うかもしれません。

しかし、実は、痛みは非常にシンプルなのです。なぜなら、痛みが出る理由は、次の3つしかないからです。

  1. 組織が損傷している
  2. 神経系に異常がある
  3. 脳の中で痛みを作っている

そして、これらを治すためにすべきことは、全く同じだからです。それは次の3つです。

  1. 姿勢や歩き方を正しくする
  2. 細胞の機能を高める
  3. 健やかな心になる

ということで、今回は脳で作られる股関節痛についてお話ししてきましたが、何も恐れることはありません。まずは、ひたすら好きなことや楽しいことをしながら生活習慣を良くしていきましょう~!(^o^)/

〈主な参考文献〉
松原貴子,沖田実,森岡周:ペインリハビリテーション,三輪書店.2011.
沖田実,松原貴子:ペインリハビリテーション入門,三輪書店.2019.

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