【痛み患者の心理に配慮しない医師もいる】私の股関節痛物語⑦

この記事は、記事【理学療法士は痛みを治せない!?「部分」と「全体」の視点】私の股節痛物語⑥の続きです。

痛み患者の心理に配慮しない医師もいる

1.5回目の診察~新しいベテラン医師の意見

2012年4月11日、大学病院で5回目の診察を受けました。私はこの診察で、とても有意義な経験をしました。

今回からは、これまで診て下さっていた医師から、代わりの医師の診察となりました。これまでの医師は40歳前後と思われる細身の男性で、代わりの医師は50歳代と思われる恰幅の良い男性です。

その代わりの医師に現在の状況を説明しました。「痛みはほとんどなくなってきている」と。

医師:「これ(3D-CT画像)を診てください。あなたの悪い方の右側の臼蓋(大腿骨頭がはまる骨盤の穴)は、左側に比べて大きく張り出して縁が波打っています。また、右側の大腿骨頭の縁が盛り上がっています。この臼蓋の張り出しと、大腿骨頭の盛り上がっている部分が接触すると、痛みが出るのだと思います。」

股関節CT画像前

3D-CT(背面像)

股関節CT画像後

3D-CT(正面像)

:「確かに・・・」

医師:「「FAI」という言葉を聞いたことはありますか?Femoral Acetabular Impingement、股関節インピンジメント、大腿骨寛骨臼インピンジメントと言って、最近注目されている病態です。まさにこれに当てはまります。手術をして、これらの出っ張りを取って、形を整えると、痛みはなくなると思います。」

:「手術は考えていません。」

医師:「そうですか。このままだと、大変なことになりますよ。」

:「(えっ・・・(汗))でも、痛みはなくなってきているんです。」

2.痛みがなくても持論を曲げない医師

医師:「ちょっとベッドに寝てみて下さい。」

私はベッドで仰向けになりました。医師は私の右脚を動かして検査を始めました。

医師:「こうすると痛みが出るはずです。」

医師はそう言って、右の股関節を曲げながら、右脚を外に開いたりひねったりしました。

:「痛くありません。」

医師:「・・・。これはどうですか?」

医師はまた別の方向へも右脚を動かしていきました。

:「痛くありません。」

医師:「・・・。」

この検査は、12月の初診察時に、これまでの医師にもしてもらっていました。そのときは痛みが出ました。しかし、今回は出ませんでした。

検査を終えて、お互い椅子に座り、医師は「股関節を大切にしないといけないですね。」と言いました。そして、3D-CT画像上で、大腿骨頭の盛り上がりと臼蓋の出っ張りとの距離を測ったり、大腿骨頭の回転軸を中心として角度を測ったりしました。

医師:「盛り上がりと出っ張りがぶつかるまでの余裕はこれだけしかありません。股関節を曲げていく方向では、50°ぐらいでぶつかるのではないでしょうか。そうやって椅子に座っているのも良くないですね。」

:「えっ!・・・」

医師:「右の股関節は大きく動かさないようにした方がいいでしょう。なるべく“がに股”でいた方がいいですね。階段を昇り降りしたり、自転車をこいだり、水泳も良くないですね。」

:「そしたら何もできなくなってしまいますよ。生活できなくなってしまいます。水泳もダメなんですか?(バタ足で股関節が大きく動くことはないはずだが・・・)」

医師:「そうですね。良くないです。」

:「クロールでは、あまり股関節は大きく動かないと思うんですけど・・・。」

医師:「あ、クロールはいいかもしれませんね。でも、平泳ぎはダメです。」

:「そうですか・・・。」

医師:「(3D-CT画像を眺めながら)それにしても、やっかいだな、これは。」

:「(ショック・・・(涙)。この医師は酷いことを言うな・・・。でも、俺は手術をせずに治すんだ!!)」

医師:「たぶん、すぐには骨の変化はないと思うから、次回の診察は半年後か1年後でいいと思います。どうしますか?」

:「では、半年後にお願いします・・・。(痛みどめの処方については、何の話もないんだな・・・)」

3.痛みは心理状態に大きく影響される

自転車をこぎながら自宅に帰りました。診察前までは何ともなかったのに、診察を終えた後から、なんだか少し痛みを感じるようになりました。(>_<)

これまでの医師は、話し方は早口でしたが、私の話はしっかり聞いてくれる先生でした。代わりの医師は、自信満々で、私の話はあまり聞かず、自分の考えを一方的に話し、その考えにそぐわないものは断固として認めない、といった印象を受けました。

私は、痛みに悩んで、辛くて不安だから、病院へ診察を受けに行っているのに、逆に不安をあおられ、痛みを感じさせられてしまいました(涙)。

痛みは、心理的な要因で、軽くもなれば、強くもなります。

今回の診察で、このとを改めて体験することができました。今回私を診察した医師は、私をどうしたかったのでしょうか??

痛みは、不活動にしていればいるほど感じやすくなり、ネガティブな心理状態(不安、恐怖など)によって増強します。リハビリテーションの世界では、このことは良く知られていることだと思います。それなのに今回の医師は、椅子に座るな、階段を昇るな、自転車をこぐなと、不活動を勧めるような発言をし、不安や恐怖をあおるようなことをしていました。前回までの医師が、今回の医師のことを「リハビリテーションの分野でも有名な先生です」と紹介したことが、不思議でなりませんでした。

今回の診察を経験し、医療従事者の言葉は、患者さんに大きな影響を与え、とても重いものであることを、自ら感じることができました。私も医療従事者として、患者さんへの言葉かけは、患者さんの気持ち、心理状態を十分に配慮して行わなければいけないと、改めて心に刻みました!!

ちなみに、この記事、書き始めるまでは何も感じていませんでしたが、書き進めていると、なんだか右の股関節に少し痛みを感じそうな気配がしてきました(汗)。そのときのことを思い出していると、そのときと同じ心理状態になって、痛みが再現されてしまうのでしょうね。ネガティブな心理状態・・・、良いことないですね。(>_<)

今回のお話しのポイント

1.股関節の荒れと痛みは関係ない

私の股関節を診察した新しい医師は、次の見解を示しました。「股関節の骨が荒れていて、それがぶつかりあって痛みが出る。手術をしてその荒れているところを綺麗にすれば、痛みはなくなる」と。

そしてこの医師は、この状態の股関節だと痛みが出るであろう動きを検査しました。しかし、痛みは出ませんでした。この事実は、私の股関節の「骨の荒れ」と痛みは関係がない、ということです。

2.医師は手術をしたい人である

医師はその後、3D-CT画像上で股関節に関する距離や角度を測り、股関節が動いて骨の荒れがぶつかるまでの余裕は少ししかないということを、強調していきました。そして、椅子に座る、階段を昇り降りする、自転車をこぐ、水泳をする、これらは私の股関節に良くないと言い始めました。

これらのことを医師の言う通り禁止してしまえば、まともな日常生活が出来なくなるのは目に見えています。あえて悪い言葉を使うなら、これは「手術をしろ」という脅しです。私は比較的ハートが強いので、大学病院の医師からこのようなことを言われても突き返すことが出来ますが、たいていの人は医師の権威性に押されて、言うとおりにするのではないでしょうか?

私の痛みセラピーを受けられた方の中にも、医師から脅迫まがいの手術宣告を受けたことがある方が、たくさんいらっしゃいました。医師はなぜそこまで手術を勧めるのでしょうか?それは、単純に、手術がしたいからだと思います。ここではお話ししませんが、その理由は、いろいろあるのだと思います。

結局、私は手術をしていませんが、痛みはなくなり、いまだに椅子にも座りますし、自転車もこぎますし、階段も昇り降りしますし、水泳も出来ます。もっと言えば、股関節が大きく曲がることもあるサーフィンすらやっているのです。つまりこの医師は、全く見当違いのことを言っていた、ということになります。

医師の言うことは、絶対ではありません。闇雲に、無条件に、医師の言うことに従うのではなく、「本当にそうなのかな?」と一呼吸おいて、医師の言っている内容の真偽を自分なりに調べたり考えたりすることをおススメします

3.ネガティブ心理による痛みを防ぐ

痛みは、そのときどきの心理状態で、大きく変化します。ネガティブな心理状態になっているときは、痛みは強くなり、長引きやすくなります。なぜなら、ネガティブな心理状態のときは、ネガティブなことに、自分の意識や注意が向きやすくなるからです。「痛み」はネガティブな現象であり、それに意識や注意が向きやすくなり、痛みをはっきりと明確に感じやすくなってしまうのです。

私は今回の新しい医師の診察で、このことを身をもって体感しました。医師の心ない発言で嫌な思いをし、痛みを感じるようになってしまいました。このときを思い出しながら記事を書いていると、痛みを感じそうになっていきました。

このような心理状態による痛みの悪化を防ぐには、どうすれば良いでしょうか?それはずばり、出来るだけ速やかに、ポジティブな心理状態になることです。ポジティブな心理状態のときは、ネガティブなことは、自分の意識から消えていきます。例えば、大好きなゲームに熱中しているときは、ネガティブな現象である「痛み」は、忘れてしまっていたりします。

ですので、ネガティブな心理による無駄な痛みに苦しまないために、気分良いこと、心地良いこと、楽しいこと、ホッとすること、夢中になることを、出来る限り実行して下さい。これは、ネガティブ心理による痛みを防ぐことになるだけではなく、痛みそのものを治す特効薬にもなることです。

4.有名とか肩書は当てにならない

前回までの医師は、今回の医師のことを、「リハビリテーションの分野でも有名な先生です」と紹介していました。その「リハビリテーションの分野でも有名な先生」が、不活動を勧めるような発言をし、不安や恐怖をあおるようなことをして、痛みを増強させているのです。大学病院に勤務していても、有名な先生であっても、このような実態の医師もいるのです。

有名とか、本を出しているとか、テレビに出ているとか、こういった肩書の類は、全く当てにならないと私は思っています。ですので、こういった肩書に惑わされず、真心を持って自分に向き合ってくれているかなど、こういったことを基準にして、その医師を信用するかどうかを決めていくと良いと思います。

5.医師による姿勢や歩き方のアドバイス

今回の医師は診察時に、私にこう言っていました。「なるべく“がに股”でいた方が良い」。これは、姿勢や歩き方の専門家の私からすれば、あり得ない発言です。

この医師は私の股関節の3D-CT画像を見て、その股関節の骨の荒れ具合から考えると、がに股の方が骨がぶつかりにくくなって痛みが出にくくなる、と判断したのだと思います。これは、股関節の骨のことしか考えていない判断です。

がに股にすれば、明らかに姿勢や歩き方は崩れていきます。すると、様々な筋肉に無駄な力が入ることになります。そして最終的に、その筋肉がこわばって血流が悪くなり、股関節だけでなく、例えば腰や膝など、股関節以外でも痛みが出るようになっていきます

前回の記事【理学療法士は痛みを治せない!?「部分」と「全体」の視点】私の股関節痛物語⑥でお話ししたように、この医師はまさに、部分しか見ておらず、全体を見ることが出来ていないことが分かります。

そして、いくら整形外科医だと言えども、正しい姿勢や歩き方に対する理解は乏しい、ということが分かります。もし理解があるなら、「がに股でいる方が良い」だけで終わらず、それに対する注意点やデメリットも教えてくれるはずです。

ということで、医師だからと言って、姿勢や歩き方について、必ずしも正しいアドバイスをしている訳ではない、ということは知っておいて下さいね。

次回予告

次回は、私の股関節痛が劇的に治っていくきっかけとなった、ある本との出会いについてのお話しです。私は、この本と出会ったことで、安心と自信を得ることが出来ました。

この本に書いてあったことは、「股関節痛、腰痛、膝痛などの筋骨格系の痛みのほとんどは、骨などの変形が原因の痛みではなく、筋肉の痛みである」ということです。この本を書いているのは、なんと現役の整形外科専門医です。筋肉の痛みが原因であるなら、手術の必要はほとんどないということです。

次回のお話しのポイントは、筋肉の痛みが欠落して間違った治療が行われる手術をするかしないか見極める安心と自信が最高の薬になる、といったことになります。

続きは、記事【関節や骨ではなく筋肉が痛みの原因なら手術の必要なし?】私の股関節痛物語⑧

 

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