痛み患者の心理に配慮しない医師もいる

この記事は、記事「理学療法士は痛みを治せない??「部分」と「全体」の視点」の続きです。

5回目の診察~新しいベテラン医師の意見

4月11日、大学病院で5回目の診察を受けました。

私はこの診察で、とても有意義な経験をしました。

今回からは、これまで診て下さっていた医師から、代わりの医師の診察となりました。

これまでの医師は40歳前後と思われる細身の男性で、代わりの医師は50歳代と思われる恰幅の良い男性です。

その代わりの医師に現在の状況を説明しました。

「痛みはほとんどなくなってきている」と。

医師:「これ(3D-CT画像)を診てください。」

「あなたの悪い方の右側の臼蓋(大腿骨頭がはまる骨盤の穴)は、左側に比べて大きく張り出して縁が波打っています。」

「また、右側の大腿骨頭の縁が盛り上がっています。」

「この臼蓋の張り出しと、大腿骨頭の盛り上がっている部分が接触すると、痛みが出るのだと思います。」

股関節CT画像前

3D-CT(背面像)

股関節CT画像後

3D-CT(正面像)

:「確かに・・・」

医師:「「FAI」という言葉を聞いたことはありますか?」

「Femoral Acetabular Impingement、股関節インピンジメント、大腿骨寛骨臼インピンジメントと言って、最近注目されている病態です。」

「まさにこれに当てはまります。」

「手術をして、これらの出っ張りを取って、形を整えると、痛みはなくなると思います。」

:「手術は考えていません。」

医師:「そうですか。」

「このままだと、大変なことになりますよ。」

:「(えっ・・・(汗))でも、痛みはなくなってきているんです。」

痛みがなくても手術をしたがる医師

医師:「ちょっとベッドに寝てみて下さい。」

私はベッドで仰向けになりました。

医師は私の右脚を動かして検査を始めました。

医師:「こうすると痛みが出るはずです。」

医師はそう言って、右の股関節を曲げながら、右脚を外に開いたりひねったりしました。

:「痛くありません。」

医師:「・・・。これはどうですか?」

医師はまた別の方向へも右脚を動かしていきました。

:「痛くありません。」

医師:「・・・。」

この検査は、12月の初診察時に、これまでの医師にもしてもらっていました。

そのときは痛みが出ました。

しかし、今回は出ませんでした。

検査を終えて、お互い椅子に座り、医師は「股関節を大切にしないといけないですね。」と言いました。

そして、3D-CT画像上で、大腿骨頭の盛り上がりと臼蓋の出っ張りとの距離を測ったり、大腿骨頭の回転軸を中心として角度を測ったりしました。

医師:「盛り上がりと出っ張りがぶつかるまでの余裕はこれだけしかありません。」

「股関節を曲げていく方向では、50°ぐらいでぶつかるのではないでしょうか。」

「そうやって椅子に座っているのも良くないですね。」

:「えっ!・・・」

医師:「右の股関節は大きく動かさないようにした方がいいでしょう。」

「なるべく“がに股”でいた方がいいですね。」

「階段を昇り降りしたり、自転車をこいだり、水泳も良くないですね。」

:「そしたら何もできなくなってしまいますよ。」

「生活できなくなってしまいます。」

「水泳もダメなんですか?(バタ足で股関節が大きく動くことはないはずだが・・・)」

医師:「そうですね。良くないです。」

:「クロールでは、あまり股関節は大きく動かないと思うんですけど・・・。」

医師:「あ、クロールはいいかもしれませんね。」

「でも、平泳ぎはダメです。」

:「そうですか・・・。」

医師:「(3D-CT画像を眺めながら)それにしても、やっかいだな、これは。」

:「(ショック・・・(涙)。この医師は酷いことを言うな・・・)」

「(でも、俺は手術をせずに治すんだ!!)」

医師:「たぶん、すぐには骨の変化はないと思うから、次回の診察は半年後か1年後でいいと思います。どうしますか?」

:「では、半年後にお願いします・・・。」

「(痛みどめの処方については、何の話もないんだな・・・)」

痛みは心理状態に大きく影響される

自転車をこぎながら自宅に帰りました。

診察前までは何ともなかったのに、診察を終えた後から、なんだか少し痛みを感じるようになりました。(>_<)

これまでの医師は、話し方は早口でしたが、私の話はしっかり聞いてくれる先生でした。

代わりの医師は、自信満々で、私の話はあまり聞かず、自分の考えを一方的に話し、その考えにそぐわないものは断固として認めない、といった印象を受けました。

私は、痛みに悩んで、辛くて不安だから、病院へ診察を受けに行っているのに、逆に不安をあおられ、痛みを感じさせられてしまいました(涙)。

痛みは、心理的な要因で、軽くもなれば、強くもなります。

今回の診察で、このとを改めて体験することができました。

今回私を診察した医師は、私をどうしたかったのでしょうか??

痛みは、不活動にしていればいるほど感じやすくなり、ネガティブな心理状態(不安、恐怖など)によって増強します。

リハビリテーションの世界では、このことはよく知られていることだと思います。

これまでの医師が、代わりの医師のことを「リハビリテーションの分野でも有名な先生です」と紹介したことが、不思議でなりませんでした。

今回の診察を経験し、医療従事者の言葉は、患者さんに大きな影響を与え、とても重いものであることを、自ら感じることができました。

私も医療従事者として、患者さんへの言葉かけは、患者さんの気持ち、心理状態を十分に配慮して行わなければいけないと、改めて心に刻みました!!

ちなみに、この記事、書き始めるまでは何も感じていませんでしたが、書き進めていると、なんだか右の股関節に少し痛みを感じそうな気配がしてきました(汗)。

そのときのことを思い出していると、そのときと同じ心理状態になって、痛みが再現されてしまうのでしょうね。

ネガティブな心理状態・・・、良いことないですね。(>_<)

続きは、記事「筋筋膜性疼痛症候群であるなら手術の必要はほとんどない」


股関節、腰、膝の痛みセラピー
セラピーサロン『Feuno(フーノ)』名古屋
ふなこしのりひろ