嫌な気分はバイクの旅のように過去へ捨て去ろう
記事「心屋仁之助さん「一生お金に困らない生き方」への解釈」で話したように、最近本棚を整理した。これはそのとき出てきたムック「オートバイの旅~自分を取り戻す旅」。
このムックとの久しぶりの対面で、自分の生き方について改めて思ったことがあったので、ここに書き留めておこうと思う。
目次
ムックとの出会い
このムックを買って読んだのは、1999年10月ごろ。愛媛大学を卒業したばかりで、知っている人が誰もいない札幌で、ハードな仕事の会社員をしながら毎日寂しく過ごしていたときだ。
こんな生活に耐えきれず、この年の8月に会社を辞めることを親に伝え、猛反対されて辞めることを踏みとどまって、意気消沈していた時期。
近所の本屋さんで何となくこのムックに惹かれて、気分転換にでもと思って手に取った。「オートバイ」と「旅」、どちらも好きな言葉。
片岡義男さんのエッセイ
このムックには、小説家の片岡義男さんのエッセイが載っていた。片岡義男さんは「彼のオートバイ、彼女の島」など、オートバイが登場する小説をいくつも書いている。ちなみに、僕はこのムックで片岡義男さんを知り、この小説を買って読んだ。
そのエッセイの冒頭には、こう書かれている。
どのような人も状況も、そして場所も、すべてをそこに置き去りにして自分ひとりだけ爆音も高く、そしてその爆音すら後方に消えるままに置き去りにして、かなりの高速でまっしぐらに、風を引き裂いてはからめ取り、それもまた次々に捨て去りながら、どこへともなく走り去る一台のオートバイ。
オートバイの魅力の基本はここにある、と僕は子供の頃から思っている。オートバイのかたわらに立っているだけの人は、オートバイにまたがって走り去る人を、ただ見送るほかない。それ以外のことが、その人には出来ない。なんという悔しいことか。
僕がバイクに乗る理由
オートバイは、全て置き去りにする。片岡義男さんの言っていることは、とても良く分かる。たぶん僕は、この感覚も好きで、ずーっとバイクに乗っているのだと思う。
バイクで走り出した瞬間、それまでそこにあったものは全て、はっきりと「過去のモノ」として区切りを付けることが出来るのだ。嫌なこと、苦しいこと、恥ずかしいこと、全て葬り去ることが出来るのだ。
そして、向かう先には、ゼロからやり直せる、真っ白なキャンバスが待っている。そこで繰り広げられるであろう最高の自分への期待は、もの凄い高揚感となって、バイクをさらに加速させる。
↓バイクで走り出す様子を動画に撮ってきた♪
バイクの旅で生まれ直す
全て葬り去ってゼロからやり直すとは、過去を捨てて未来を創りにいく、ということだ。過去世から未来世へ。つまり、「バイクで走り出す」とは、大袈裟に言うと「生まれ直す」ということだ。そして、バイクで旅をするとなると、この「生まれ直す」という感覚が、より鮮明になる。
「旅の恥はかき捨て」という言葉があるように、旅先での自分は、その場限りの自分でいられる。どんな失敗をしようが、どんなに恥ずかしい思いをしようが、次の旅先へ行ってしまえば、それらはなかったことにしてしまえる。
で、バイクで旅していると、エンジンをかけてアクセルを吹かしてしまえば、その旅先から一瞬で消えてしまうことが出来るのだ。失敗も恥ずかしいことも何もかも、一瞬で過去のものとして葬り去ることができるのだ。この爽快感は、たまらない。そして、新たな旅先で、新たな自分で過ごすことになる。
これまでいた旅先と新たな旅先は、時間的にも空間的にも完全に切り離されている。バイクで移動するたびに瞬時に誰も知らない別の旅先で生活することになる。まさに、バイクの旅は、生きていながらにして、瞬間的に生まれ直しているようなものなのだ。
↓約4ヶ月間バイクで日本中を一人で旅していたころの僕(左)。当時27歳。北海道のクッチャロ湖。
嫌な気分を捨て去るために
で、前置きが長くなってしまったけど、僕たちが目指すべきものは「良い気分」だ。そして、避けるべきは「嫌な気分」。もし今現在「嫌な気分」にあるのなら、大至急その気分は捨て去った方が良い。
バイクの旅を活用してる
このことを考えるとき、僕はバイクでの旅のことを思い出す。バイクで次の旅先へ向かうとき、それまでの過去のことは一瞬で置き去りにして、捨て去ることが出来る。
よくよく思い返してみると、僕は嫌な気分になっていることに気づいたとき、これと同じことをしているのだ。バイクで次の旅先へ向かうような感じで、今現在のことを一瞬で置き去りにして捨て去るのだ。
僕がしてること
嫌な気分になっていることに気づき、それを十分に味わった後は、もう終わったこと、いらないこととして、すぐに気分が良くなることに意識を向ける。嫌な気分を反芻することはしない。
例えば、人に理不尽なことを言われてムカついているとき、「アイツ、くそムカつく!死んじゃえば良いのに!」って心の中や人のいないところで叫んだりして嫌な気分を十分に味わい、その後すぐに大好きな音楽を聴こうとしたりコーヒーを飲みに行ったりする。
理不尽なことを言われて嫌な気分になったことは、もう終わったこと、いらないこととして、完全に捨て去る。思い返すこともしない、その人を責めることもしない。もう過去世のこととして扱う。
そんなことよりも、新しい自分で良い気分で過ごすことの方が大切だ。未来世にワクワクしている方がよっぽど建設的で健全だ。
過去世から未来世へ
そして、良い気分と嫌な気分は、同時に感じることは出来ない。なので、良い気分を感じていれば、嫌な気分は自ずと感じなくて済むのだ。
バイクで次の旅先へ向かうように、嫌な気分になることを置き去りにして良い気分だけ感じていれば良く、嫌な気分に気づくたびに過去世から未来世へ生まれ直すようにしていれば良いのだ。
今回のまとめ
今回の話で言いたかったことは、こんな感じ。
- バイクの旅は生まれ直すことが出来る
- バイク旅のような感覚があれば、嫌な気分は簡単に捨て去ることが出来る
バイクに乗って一人で走っているときの、過去を葬り去る爽快感と、未来をゼロから創り出す高揚感は、もう本当に最高な気分!破壊と創造を繰り返している感じ♪
僕はバイクでの旅が好きで、昔はよくテントと寝袋をバイクに積んで気の向くままに旅していた。僕にはそんな経験ならではの感覚が身についているのだろう。
「すぐに過去に区切りをつけて、すぐに未来に意識を向ける」という感覚。
この感覚があるから、僕は良い気分になれやすいのかもしれない。バイクと旅は僕の人生にとって、超重要なアイテムになっている。
ちなみに、先ほどの動画は、知多半島の方で昨日撮ってきた。今年の初乗り。天気も良く暖かかったから気持ち良かった~♪でも、バイクに乗るの久しぶり過ぎて、早速筋肉痛が出てきてしまった~。今年はたくさんバイクに乗りたいな。(^^)/
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