股関節、腰、膝の痛みの悪循環と、それを強化する3つの要因

この記事をご覧になっている方の多くは、股関節、腰、膝の“長引く”痛みに、悩まされているのではないかと思います。

“長引く”痛み、そう、痛みは長引くことがあるのです。

股関節、腰、膝の痛みは、いったん生じると、長引いてしまうことがあるのです。

その理由の一つに、「痛みの悪循環」に陥っている、ということが挙げられます。

記事「股関節、腰、膝の長引く痛みの本命、筋肉のこわばり4つの原因」でもお話ししていますが、私たちの体には、屈曲反射というしくみが備わっています。

1.屈曲反射による筋肉のこわばりが痛みの悪循環の入り口

ふと足の裏で画鋲を踏んでしまったとき、反射的に足が引っ込む。

ふと熱いやかんに手が触れてしまったとき、反射的に手が引っ込む。

この反応は、痛み刺激(侵害刺激)から逃避するための脊髄反射の一つで、これが屈曲反射です。

足が引っ込んだり、手が引っ込むというのは、脚や腕が動いた、ということです。

脚や腕を動かすのは、筋肉です。

脚や腕が動いたということは、そこにある筋肉に力が入った、ということです。

屈曲反射を要約すると、体に侵害刺激が加わると、筋肉に力が入る、ということです。

つまり、痛みがあると、筋肉に力が入って、筋肉がこわばる、ということです。

この筋肉のこわばりがきっかけとなって、「痛みの悪循環」に陥っていき、痛みが長引いていくのです。

2.筋肉のこわばりが血流を悪くする

筋肉のこわばりとは、筋肉に力が入って、筋肉が硬くなってしまっている状態です。

筋肉が硬くなっていると、筋肉の中やその周囲の圧力が高くなります。

すると、そこにある血管は、圧迫されて押し潰されて、細くなってしまいます。

その結果、そこの血流が悪くなり、そこの血流量が少なくなってしまいます。

3.酸素不足や乳酸蓄積によるアシドーシスと栄養不足が痛みを持続させる

血流量が少なくなると、その筋肉や周囲の組織に、酸素や栄養が十分に届かなくなってしまいます。

それらの細胞が、酸素不足や栄養障害に陥ってしまいます。

また、筋肉に力が入るということは、力を入れるためのエネルギーが必要になります。

筋肉がそのエネルギーを得る過程で、乳酸という物質が産生されます。

筋肉のこわばりは、筋肉に力を入れ続けている状態ですので、エネルギーが次々必要となり、乳酸がどんどん産生されます。

すると、体に乳酸が蓄積されていきます。

この乳酸の蓄積と酸素不足によって、こわばっている筋肉のあたりは、アシドーシスになってしまいます。アシドーシスとは、血液が酸性になってしまうことです。

このアシドーシスや栄養障害によって、こわばっている筋肉やその周辺の細胞から、ブラジキニンなどの発痛物質が産生されます。

その結果、新たな痛みが追加されてしまいます。

すると、その痛みによって筋肉のこわばりは強化され、発痛物質が産生され続け、痛みが取れなくなっていき、長引いていきます。

これが「痛みの悪循環」です。

さらに、この「痛みの悪循環」を強化する要因がいくつかあります。

4.痛みの悪循環を強化する3つの要因

私たちの体には交感神経という自律神経がありますが、この神経に刺激が伝わると、血管が収縮します。

血管が収縮すると血管は細くなり、血流量が減少してしまうので、「痛みの悪循環」を強化させてしまいます。

どのようなときに交感神経に刺激が伝わるかというと、活動しているとき、ストレスがあるとき、緊張しているときなどです。

痛みがあると、ストレスを感じたり、緊張したりしていることが、多いと思いますが、それらがさらに痛みを長引かせてしまうことになっているのです。

また、痛みがあるときは、その部分をかばって、姿勢や歩き方が悪くなります。

すると、一部の筋肉に負担が集中し、その筋肉がこわばっていきます。

その結果、痛みがあるところ以外にも、痛みがでるようになってしまいます。

さらに、痛みがあるときは、その部分をあまり動かさなくなります。

このような不活動な状態は、それ自体が痛みを発生させやすくしてしまい、痛みを長引かせてしまうことが、様々な研究で明らかになっています。

そして、その不活動な状態は、その部分の柔軟性を低下させ、関節の可動域を狭くしてしまったり、筋力を低下させてしまいます。いわゆる、関節拘縮筋萎縮となってしまいます。

すると、姿勢や歩き方が悪くなり、先ほどお話ししたように、痛みがあるところ以外にも、痛みがでるようになってしまいます。

まとめ

股関節、腰、膝の痛みは、長引くことがあり、その理由の一つに「痛みの悪循環」があります。

それは次の機序で生じます。

股関節、腰、膝に痛みが出る

⇒そのあたりの筋肉がこわばる

⇒そのあたりの血流が悪くなる

⇒そのあたりの細胞が、酸素不足乳酸蓄積によるアシドーシスと、栄養障害により、発痛物質を産生する

痛みが強化される

そして、次の要因で「痛みの悪循環」が強化されます。

ストレスや緊張

悪い姿勢や歩き方

患部の不活動状態

「痛みの悪循環」の全体像を図にすると、以下のようになります。この図には、筋肉のこわばりの原因も書き加えてあります(記事「股関節、腰、膝の長引く痛みの本命、筋肉のこわばり4つの原因」参照)。

以上のように、いったん股関節、腰、膝の痛みが出ると、「痛みの悪循環」に陥って、痛みが長引くことがあります。

この痛みを解決させるには、この悪循環を断ち切らなければなりません。

この「痛みの悪循環」による長引く痛みを、最速最短で解決するには、健康に対する総合力が必要になってきます。


股関節、腰、膝の痛みセラピー
セラピーサロン『Feuno(フーノ)』名古屋
ふなこしのりひろ